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Webマーケティングの「ペルソナ設定」ワークシート|年齢・性別だけではない「インサイト(深層心理)」の発掘法

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ターゲットに刺さる 成果を変える「ペルソナ設定」の極意 深層心理を掘り下げるワークシート

「ターゲットは30代〜40代の男性で、会社員です」

Webサイト制作や広告運用の打ち合わせでターゲット像(ペルソナ)を伺うと、このような回答をいただくことがよくあります。
しかし、Webマーケティングの現場において、この程度の情報量では「刺さるメッセージ」を作ることはできません。

同じ30代男性でも、「独身で趣味にお金を使いたい人」と「既婚で子供の教育費に悩む人」では、響く言葉も選ぶ商品も全く異なるからです。

成果を出すために必要なのは、年齢や性別といった表面的なデータではなく、顧客自身も気づいていないような「インサイト(深層心理・本音)」です。
本記事では、Web集客の成果を劇的に変える「実用的なペルソナ設定」の方法と、深層心理を掘り起こすためのワークシート項目について解説します。

なぜ「年齢・性別」だけのペルソナは失敗するのか

ペルソナ設定とは、自社の商品やサービスを利用する「架空の典型的ユーザー像」を作り上げるフレームワークです。
しかし、多くの企業が「属性(デモグラフィック)」の設定だけで満足してしまっています。

「属性」と「心理」の違い

  • 属性(デモグラフィック): 年齢、性別、居住地、職業、年収など
  • 心理(サイコグラフィック): 価値観、ライフスタイル、悩み、願望、購入動機など

Webマーケティング、特に検索行動(SEO)や広告において重要なのは、圧倒的に「心理」の方です。
ユーザーは「30代だから」検索するのではなく、「今の悩みを解決したいから」検索します。
この「悩み(Pain)」と「理想(Gain)」を具体化しない限り、誰の心にも響かない当たり障りのないコンテンツしか作れません。

💡 ユーザー心理と検索行動の関係
ペルソナが抱える「検索意図(インサイト)」を理解することは、SEO対策の基本です。ユーザーがどのような心理で検索窓に言葉を入力するのか、そのメカニズムについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:SEOで重要なユーザー行動とは?検索意図の理解とUI改善で成果を上げる方法

顧客のインサイトを発掘する「3つの視点」

では、どうやって顧客の深層心理を見つければよいのでしょうか。
会議室で想像するだけでなく、以下の視点で情報を集めることが重要です。

1. 「建前」と「本音」を分ける

例えば、「英会話スクール」に通う理由。
建前は「キャリアアップのため」かもしれませんが、本音(インサイト)は「かっこいい自分になりたい」「同僚に見せつけたい」かもしれません。
LPのキャッチコピーで心を動かすのは、往々にしてこの「本音」の部分です。

2. 営業現場やカスタマーサポートの声を聴く(一次情報)

最もペルソナに近い場所にいるのは、現場のスタッフです。
「お客様が契約を決める直前に言った一言」や「よくあるクレーム(不安点)」の中に、リアルなペルソナの要素が詰まっています。
空想ではなく、実際の顧客データに基づいた「ファクト(事実)」から要素を抽出しましょう。

3. Yahoo!知恵袋やSNSでの「悩み検索」

ターゲットが匿名で相談している場所には、生々しい悩みが溢れています。
関連キーワードで検索し、どのような言葉で苦しみを吐露しているか(N1分析)をリサーチすることで、ペルソナの解像度が格段に上がります。

【実践ワークシート】ペルソナ設定の具体的項目

実際にWeb制作やコンテンツマーケティングで使用する、ペルソナ設定の必須項目をまとめました。
以下の項目を埋めることで、マーケティングに使える「生きたペルソナ」が完成します。

項目カテゴリ 設定すべき内容(問い)
基本情報
(デモグラフィック)
  • 年齢、性別、家族構成
  • 職業、役職、年収
  • 居住エリア
現状の悩み・不満
(Pain)
  • 今、何に一番困っているか?
  • その悩みのせいで、どのような実害が出ているか?
  • 夜も眠れないほどの不安はあるか?
解決後の理想
(Gain)
  • 商品を使うことでどうなりたいか?(機能的価値)
  • それによってどんな気持ちになりたいか?(感情的価値)
購入の阻害要因
(ハードル)
  • 欲しいと思っても、購入をためらう理由は?
  • 価格? 信頼性? 上司の決裁? 家族の反対?
情報収集ルート
(タッチポイント)
  • 普段よく見るSNSやWebサイトは?
  • 検索しそうなキーワードは?
  • PCとスマホ、どちらをメインで使うか?

特に重要なのは「阻害要因」です。
「なぜ買わないのか」を明確にすることで、Webサイト内に「よくある質問」や「保証制度」などのコンテンツを用意し、コンバージョン率を高めることができます。

設定したペルソナをWebマーケティングにどう活かすか

ペルソナは作って終わりではありません。実際の施策に落とし込んで初めて価値が生まれます。

ランディングページ(LP)の構成案に反映する

ペルソナの「悩み」をファーストビュー(冒頭)で提示し、「解決後の理想」をベネフィットとして伝えます。
阻害要因が「価格」なら費用対効果を強調し、「信頼性」なら実績を強調するなど、ペルソナに合わせてコンテンツの優先順位を決定します。

💡 LP制作への活用
ペルソナの心理に基づいたLP構成(ワイヤーフレーム)の作り方については、以下の記事で具体的に解説しています。
関連記事:LPの「中身」は何を書く?成果が出る構成案・ワイヤーフレームの作り方と8つの鉄板要素

コンテンツSEOのキーワード選定に使う

ペルソナが使いそうな「検索キーワード」をリストアップし、ブログ記事を作成します。
例えば「初心者」というペルソナ設定なら専門用語を使わない記事を、「決裁権者」なら導入事例や費用対効果に特化した記事を作成するなど、トーン&マナーの指針にもなります。

まとめ:ペルソナは「一度作って終わり」ではない

市場環境やユーザーの心理は常に変化します。
一度設定したペルソナも、実際のアクセス解析データや問い合わせ内容と照らし合わせながら、定期的にブラッシュアップ(修正)していくことが重要です。

「自社のターゲットがいまいち明確になっていない」「ペルソナに合わせたWeb戦略を立てたい」とお考えの方は、ぜひ一度digrartへご相談ください。
客観的な視点とデータに基づき、成果に繋がるマーケティング戦略をご提案いたします。

ペルソナ設定から逆算したWeb戦略や、ターゲットに響くサイト制作をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を書いた人

digrart編集部

大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
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