「記事LP」と「通常LP」の違いと使い分け|潜在層を教育してCVさせる「読み物型」ランディングページの威力

「Web広告を出しても、クリックはされるのにコンバージョン(購入・問い合わせ)に至らない」
「以前よりも獲得単価(CPA)が高騰してしまい、採算が合わなくなってきた」
大阪で多くの企業様のWebマーケティングを支援していると、このようなご相談を頻繁にいただきます。特にInstagramやTikTok、FacebookなどのSNS広告に力を入れている企業様ほど、この壁にぶつかる傾向があります。
その原因は、「ターゲット層の心理状態」と「見せているページ(LP)」の不一致にあるかもしれません。
今回は、Webマーケティングの成果を左右する「記事LP(クッションページ)」と「通常LP」の違いについて、プロの視点で徹底解説します。
両者の特性を理解し、正しく使い分けることで、停滞していた広告成果を劇的に改善できる可能性があります。
1. 「記事LP」と「通常LP」の決定的な違いとは?
まずは、それぞれの定義と役割を明確にしましょう。
見た目の違いだけでなく、「ユーザーにどのような行動を促すか」という目的が大きく異なります。
通常LP(ランディングページ)=「セールス特化」
一般的に「LP」と呼ばれるものがこちらです。
1枚の縦長ページの中に、商品の魅力、お客様の声、権威性、オファー(割引特典など)を詰め込み、その場での購入や申し込みを強力にプッシュします。
- ターゲット: 「今すぐ欲しい」「解決策を探している」顕在層
- 目的: 刈り取り(直接コンバージョン)
記事LP(記事広告・クッションページ)=「教育・共感」
メディアのブログ記事やニュース記事のような体裁をとったLPです。
いきなり商品を売り込むのではなく、ユーザーの悩みや興味・関心に寄り添った「読み物」として展開し、読了後に「これなら自分の悩みが解決するかも」と気づかせることを目的とします。
- ターゲット: 「まだ欲しくない」「自分の悩みに気づいていない」潜在層
- 目的: 興味喚起、教育、通常LPへの送客(ブリッジ)
どちらが優れているかではなく、「どの媒体から」「誰を」集客するかによって使い分けるのが正解です。
| 項目 | 通常LP (セールス型) |
記事LP (読み物型) |
|---|---|---|
| 相性の良い広告 | リスティング広告 (指名検索・キーワード検索) |
SNS広告(Instagram/TikTok) ディスプレイ広告 |
| ユーザー心理 | 「○○が欲しい」「比較したい」 (能動的) |
「暇つぶし中」「なんとなく見ている」 (受動的) |
| 訴求内容 | 商品スペック、価格、実績、特典 | 悩みへの共感、体験談、第三者視点 |
| KPI(指標) | CVR(成約率) | 記事読了率、遷移率 (通常LPへ送った数) |
2. なぜ今、「記事LP」が必要とされているのか?
かつては、リスティング広告から通常LPに飛ばすだけで成果が出ていました。しかし、近年その必勝パターンが崩れつつあります。
主な理由は以下の2点です。
① ユーザーが「売り込み」に飽きている
スマホ普及により、私たちは1日に数千件もの広告を目にしていると言われます。そのため、典型的な「広告臭のするデザイン」を見た瞬間に、脳が「これは売り込みだ」と判断し、無意識にスルー(離脱)してしまうのです。
記事LPは「有益な情報」という仮面を被っているため、この心理的ガード(広告アレルギー)をすり抜けることができます。
② SNS広告(インフィード広告)の拡大
InstagramやTikTokを見ているユーザーは、何かを買おうとしてSNSを開いているわけではありません。「暇つぶし」や「情報収集」が目的です。
そんなリラックス状態のユーザーに、いきなり「今なら50%OFF!」と迫っても逆効果です。タイムラインの投稿に馴染む「読み物形式」のコンテンツこそが、SNS経由のユーザーを繋ぎ止める鍵となります。
記事LPはSNS広告と非常に相性が良い施策です。SNSを活用したマーケティング全体の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:企業がSNSを活用すべき理由とは?各SNSの特徴や手法、活用方法を解説!
3. 成果が出る記事LPの構成「3つの鉄則」
ただブログ記事を書けば良いわけではありません。記事LPはあくまで「広告」です。
最終的に通常LPへ遷移させ、購入してもらうための戦略的な構成が必要です。
第三者視点(体験談・レビュー風)で書く
企業側からの「これいいですよ!」という発信ではなく、「実際に使ってみたらすごかった」というユーザー目線の文脈が重要です。
「私も最初は疑っていたのですが…」といった共感のフックを入れることで、情報の信頼性を高めます。
潜在ニーズを顕在化させる(教育)
例えば「ダイエットサプリ」を売る場合、「成分がすごい!」といきなり説明するのではなく、「運動しても痩せない理由は、実は腸内環境にあった?」という切り口で始めます。
これにより、ユーザーは「自分の悩み(痩せない)の原因はこれだったのか!」と納得し、解決策への興味が湧きます。
遷移先(通常LP)との整合性を持たせる
記事LPで期待値を上げすぎた結果、遷移先の通常LPの内容とギャップがあると離脱されます。
デザインのトーン&マナーや、訴求内容は必ずリンクさせましょう。
記事LPから遷移させた後の「本命LP(通常LP)」が弱ければ成果は出ません。確実にコンバージョンさせるための鉄板構成は以下をご覧ください。
関連記事:LPのワイヤーフレーム構築方法とは?8つの構成要素や注意点を解説
4. 記事LP制作における注意点とリスク
強力な手法である一方、デメリットやリスクも存在します。
- 制作工数とコスト: 通常LPに加え、もう1ページ制作するため初期費用やライティング工数が発生します。
- 薬機法・景品表示法(ステマ規制): 2023年10月から施行された景品表示法の指定告示(通称:ステマ規制)により、広告であることを明記(「PR」「広告」等の表記)する必要があります。
記事風であっても広告であることに変わりはありません。過度な表現や嘘の体験談は、企業の信頼を損なうだけでなく法的リスクも伴うため、プロの監修のもと制作することをおすすめします。
まとめ:「急がば回れ」がWeb広告の最短ルート
「通常LP」は、今すぐ買いたい人を逃さないための必須ツールです。
「記事LP」は、まだその気がない人をその気にさせるためのツールです。
検索連動型広告(リスティング)のCPAが高騰している今、ターゲットの母数が大きい「潜在層」へアプローチできる記事LPの重要性は増すばかりです。
「LPの反応が落ちてきた」「SNS広告を始めたい」とお考えであれば、通常LPの改修だけでなく、記事LPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Web広告のCPA高騰にお悩みの方や、記事LPによる潜在層の開拓をご検討の方は、ぜひ一度digrartへご相談ください。
貴社の商材やターゲット心理に合わせた、最適なLP戦略をご提案いたします。
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関連サービス:大阪のランディングページ(LP)制作
この記事を書いた人
大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
初心者からプロまで、Web戦略の成功をサポートする実務ベースの情報が満載です。
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