ECサイト制作・構築

実店舗とECの在庫連携(OMO)|スマレジ等のPOS導入メリットと在庫ロス削減効果

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「売り越し」と「機会損失」をゼロに 見出し 実店舗とECの在庫連携(OMO)の仕組み スマレジ×Shopify導入メリット

「実店舗で最後の商品が売れた直後に、ECサイトでも注文が入ってしまい『欠品キャンセル』のお詫びをした」
「EC倉庫には在庫がないが、店舗には在庫がある。しかしシステムが分断されているためECでは『売り切れ』表示になっており、販売機会を逃している」

実店舗とECサイトの両方を運営する事業者様から、こうした在庫管理のトラブルをよく耳にします。
これらは「在庫連携(OMO)」の仕組みを導入することで解決可能です。

本記事では、実店舗とECの在庫をリアルタイムで同期させるメリットと、それを実現するためのPOSシステム(スマレジ等)やECカート(Shopify等)の活用方法について解説します。
また、実際に弊社が支援し、高度な在庫連携を実現された事例もご紹介します。

実店舗とECの「在庫連携(OMO)」とは?なぜ必要なのか

OMO(Online Merges with Offline)とは、ネットとリアルを融合させ、顧客に一貫した体験を提供するマーケティング概念です。その根幹を成すのが「在庫の一元管理」です。

手動管理の限界と「2つの在庫リスク」

在庫連携システムを導入していない場合、担当者がCSVで在庫数を更新したり、店舗販売分を手動でEC在庫から引く作業が発生します。しかし、これには必ず「タイムラグ」が生じ、2つの大きなリスクを招きます。

  • 売り越し(過受注): 在庫がないのに注文を受けてしまうこと。顧客の信頼を損ない、クレームの原因になります。
  • 機会損失(チャンスロス): 店舗には在庫があるのに、EC上では「在庫なし」と表示され、本来売れるはずだった注文を逃すこと。

API連携によるリアルタイム同期の仕組み

現代の在庫連携は、POSレジ(店舗のレジシステム)とECカートシステムを「API」でつなぐのが主流です。
店舗でバーコードをスキャンして会計した瞬間に、ECサイトの在庫数が「1」減る。
逆にECで注文が入れば、店舗のPOS在庫が減る。
この自動化により、24時間365日、正確な在庫状況を顧客に提示できるようになります。

スマレジ等のクラウドPOS導入メリットと在庫ロス削減効果

在庫連携を実現するためには、従来の「箱型レジ」ではなく、外部システムとの連携に強い「クラウドPOS(スマレジ、Shopify POSなど)」の導入が推奨されます。

1. 在庫消化率の最大化(適正在庫の実現)

店舗とECの在庫を「共有在庫」として管理できるようになります。
例えば、A店では売れ残っている商品が、ECサイトでは人気で完売している場合、A店の在庫をEC用の在庫として引き当てて販売することが可能です。
これにより、不良在庫を減らし、プロパー(定価)での消化率を高めることができます。

2. バックヤード業務の劇的な効率化

「朝一番に店舗在庫を確認してECに反映する」「EC注文分を店舗在庫から取り置きする」といったアナログ作業が全自動化されます。
スタッフは在庫調整という非生産的な業務から解放され、接客や販促企画などのコア業務に集中できるようになります。

3. 会員情報・ポイントの一元化によるLTV向上

在庫だけでなく「会員情報」も連携することで、店舗での購入履歴をECで見たり、店舗で貯めたポイントをECで使ったりすることが可能になります。
「どこで買っても便利」な状態を作ることで、顧客のロイヤリティ(LTV)が向上します。

【導入事例】Shopify×スマレジ×ロジクラで実現した高度な連携

実際に弊社(digrart)が構築をご支援し、実店舗とECの完全な在庫連携を実現されたアイウェアブランド「A.D.S.R.」様の事例をご紹介します。

導入システムの構成と役割

単にECとレジを繋ぐだけでなく、物流倉庫(WMS)まで含めた一気通貫のシステムを構築しました。

  • ECカート:Shopify(ショッピファイ)
    世界シェアNo.1のカートシステムを採用し、拡張性とデザイン性を確保。
  • 店舗POS:スマレジ
    高機能なクラウドPOSレジ。店舗での販売データをリアルタイムで管理。
  • 在庫・物流管理:ロジクラ
    倉庫内の在庫管理システム(WMS)。EC受注時の出荷指示や、在庫数の増減を管理。
  • 連携アプリ:Omni Hub(オムニハブ)
    スマレジとShopifyの「会員情報」と「ポイント」を連携させるハブ機能。

▼ 導入の効果
この構成により、「店舗・EC・倉庫」のどこで在庫が動いても、全てのシステムに即時反映される環境を構築。
ブランドの世界観を表現したUI/UXデザインに加え、バックヤード業務の自動化により、運営コストを抑えながらの売上拡大をサポートしました。

A.D.S.R.様のコーポレート・ECサイト制作実績の詳細はこちら

連携システム導入時に検討すべきポイント

在庫連携はツールを導入すれば終わりではありません。事前に「データ構造」や「運用ルール」を整理しておく必要があります。

自社の商流に合った「マスターデータ」の整備

連携の鍵となるのはJANコード(バーコード)やSKUコードです。
店舗とECで異なる商品コードを使って管理している場合、システムは「同じ商品」として認識できません。
システム導入前に、商品マスターデータの整理・統一を行う必要があります。

💡 失敗しないための事前チェックリスト
POS連携を行う前に確認すべき具体的な項目(JANコードの有無、在庫更新の頻度、非連携項目の扱いなど)については、以下の記事で詳細に解説しています。
関連記事:実店舗連動ECの設計|在庫・POS連携のチェックリスト

「Shopify」と「スマレジ」の相性の良さ

数あるカートシステムの中で、現在もっとも在庫連携(OMO)に適している組み合わせの一つが「Shopify」と「スマレジ」です。
両社ともにAPIを公開しており、連携アプリ(Omni Hubなど)も充実しているため、開発コストを抑えながら安定した連携環境を構築できます。

💡 ECカート選びで迷っている方へ
Shopifyは在庫連携に強いだけでなく、越境ECやデザインの自由度も高いプラットフォームです。他カートとの違いについては以下の記事で比較しています。
関連記事:ECカート選定の正解は?Shopify・makeshop・BASEを徹底比較

まとめ:在庫連携は「攻め」のDX施策

実店舗とECの在庫連携は、単なる「管理業務の効率化」ではありません。
お客様に対して「欲しい時に、欲しい商品がある」という当たり前の体験を提供し、売上の最大化(機会損失の最小化)を狙うための、積極的な「攻めのDX施策」です。

特にアパレルや雑貨など、SKU数が多く在庫変動が激しい業種において、OMOの導入効果は絶大です。

大阪でECサイトの構築やリニューアルをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
御社の業務フローや既存システムに合わせた、最適な連携プランをご提案いたします。
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関連サービス:大阪のECサイト制作・構築・運用支援

この記事を書いた人

digrart編集部

大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
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