Googleアナリティクス4(GA4)×Search Consoleで見るべき“本当のKPI”

Web制作

「アクセスは増えたのに、問い合わせが増えない」──そんな悩みを抱える企業は少なくありません。 GA4の導入で多くの企業がデータ分析を始めていますが、「何をKPIとして見るべきか」が定まっていないケースが非常に多いです。

本記事では、Googleアナリティクス4(GA4)とGoogle Search Consoleを組み合わせて“本当に成果につながる指標”を見極める方法を、BtoB・BtoCサイト共通の観点で解説します。

はじめに:KPIってそもそも何?

Webサイトの運用やマーケティングを考えるときに欠かせないのが「KPI(Key Performance Indicator)」です。 これは直訳すると「重要業績評価指標」で、つまり“目標を達成するために何を追うべきか”を示す道しるべのようなものです。

例えば、「お問い合わせを増やしたい」なら、 「サイト訪問数」「フォーム到達率」「送信完了率」などがKPIになります。 ただし、数字を追うだけでは本当の改善にはつながりません。 大切なのは、どの数字が“成果”に最も関係しているかを見極めることです。

そこで今回は、Googleアナリティクス4(GA4)とSearch Consoleを活用し、 成果につながる“本当のKPI”を見極めるための視点を解説します。

「アクセス数」だけを見ても成果は分からない

従来のGoogleアナリティクス(UA)では、セッション数や直帰率など「アクセス指標」を中心に評価されていました。しかしGA4ではユーザー行動が“イベント”として計測されるため、単純なアクセス数ではなく「行動の質」を把握することが重要になります。

また、Search Consoleのデータと組み合わせることで、検索流入の「量」ではなく「意図」を読み解けるようになります。アクセス数が増えても成果が伸びない原因は、多くの場合「集客の質」と「サイト内行動」のズレにあります。

GA4 × Search Consoleで見るべき“本当のKPI”

GA4とSearch Consoleを連携し、両方のデータを俯瞰的に見ることで、正しいKPIを設定できます。 以下の表に、「ありがちなKPI」と「本当に見るべきKPI」を比較して整理しました。

ありがちなKPI 本当に見るべきKPI 理由・補足
セッション数・PV数 エンゲージメント率/平均エンゲージメント時間 ただのアクセスではなく、ユーザーが「どれだけコンテンツに関わったか」が重要。
GA4のイベントベースで行動の質を評価。
新規ユーザー数 リピーター比率/初回訪問後の再来訪率 見込み顧客の「育成状況」を測る指標。BtoBではリピート閲覧がコンバージョンに直結。
検索クリック数(Search Console) ブランド・非ブランド別クリック率(CTR) 単なるクリック数ではなく、「ブランド認知検索」がどれだけ発生しているかが重要。
コンバージョン数のみ コンバージョン率 × コンテンツ経由率 問い合わせに至るまでの流入経路を把握し、「寄与したページ」を評価する。
平均掲載順位 意図別キーワードのCTR×滞在時間 順位よりも「検索意図に応えられているか」を重視。CTRと滞在時間を掛け合わせて評価。

※GA4の「探索レポート」やSearch Consoleの「クエリ別CTR分析」を組み合わせるとより正確に可視化できます。

GA4で成果を可視化するための設定ポイント

イベント設計を「KPI」に合わせる

GA4ではユーザー行動を「イベント」として自由に設定できます。 成果につながるKPIを追うためには、以下のようにイベント設計を戦略的に構築することが重要です。

  • 資料DL・フォーム送信を conversion_event として登録
  • サービス詳細ページの閲覧を engagement_event として分類
  • CTAクリックを interaction_event として計測

このように「成果につながる行動」を明確に定義しておくと、GA4のレポートから“質の高いアクセス”だけを抽出できます。

探索レポートでコンテンツ別の貢献度を可視化

GA4の「探索」機能を使うと、どのページがコンバージョン前に閲覧されているかを確認できます。 この分析を行うと、「アクセス数は少ないが成果率の高いページ」を特定でき、リライトや内部リンク強化の優先順位を判断できます。

Search Consoleで“意図”を読み解く

ブランド vs ノンブランドで評価する

Search Consoleのクエリデータを「ブランド名を含む/含まない」で分類すると、 「認知検索(ブランド)」「課題検索(ノンブランド)」のどちらが伸びているかが分かります。

検索タイプ 代表クエリ例 KPIの見方
ブランド検索 例:「◯◯株式会社」「◯◯ Web制作」 CTR・掲載順位の維持を優先。信頼性・リピートに直結。
ノンブランド検索 例:「BtoB サイト 改善」「GA4 設定 方法」 クリック数よりもCTR×滞在時間で「意図一致度」を評価。

検索意図とサイト内行動をつなげて評価

GA4とSearch Consoleを連携することで、「どの検索クエリで来たユーザーが、どのページでCVしたか」を可視化できます。 単に「検索流入が多い」ではなく、「成果に結びつくキーワード」を特定することが、SEO戦略の第一歩です。

成果を出すためのダッシュボード設計例

GA4とSearch Consoleのデータは、Looker Studio(旧Data Portal)で可視化するのがおすすめです。 以下は成果指標に特化したダッシュボード構成の一例です。

セクション 指標 目的
1. 集客 Search Console:クリック数/CTR/掲載順位 流入クエリと意図の把握
2. 行動 GA4:エンゲージメント率/滞在時間/CTAクリック数 コンテンツの質とUI改善の評価
3. 成果 GA4:CV率/経路別貢献度 施策ごとの実効性を確認
4. 継続 再訪率/ブランド検索数 信頼性・リピート獲得の評価

KPIは「企業の目的」から逆算する

KPIはツールから設定するのではなく、企業の目的(Goal)から逆算して設計すべきです。

  • BtoB:問い合わせ・資料DL → 有望リード獲得率
  • EC:購入率 → 商品ページ閲覧率・カート追加率
  • 採用:応募率 → 採用ページ滞在時間・スクロール率

これらをGA4イベントと紐づけてトラッキングすることで、アクセスではなく「成果」を追う分析にシフトできます。

まとめ

GA4とSearch Consoleを正しく使えば、「アクセス数」では見えない本当の成果指標を可視化できます。 重要なのは、“アクセスの量”ではなく、“行動の質と意図の一致”を見ることです。

Web制作やサイトリニューアルの際は、単なる見た目の改善だけでなく、GA4連携・KPI設計を含めたデータドリブンな設計を取り入れることで、確実に成果を伸ばせます。

弊社では、GA4とSearch Consoleの活用設計からダッシュボード構築まで、成果を出すデータ活用をご支援しています。お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

digrart編集部

大阪市中央区のweb制作会社のメンバーが、Webサイト制作、ECサイト構築、SEO対策、Webコンサルティングの最新情報や実践的なハウツーをお届けします。初心者からプロまで役立つノウハウや業界トレンドを分かりやすく解説。web戦略の成功をサポートするための情報が満載です!

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