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BtoB企業向けCMS構築|「会員限定ページ」や「製品検索」をWordPressで低コストに実現する方法

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BtoBサイトのDX化 WordPressで会員機能・検索機能 低コストで高機能なCMS構築

「既存の取引先や代理店だけに、最新の技術資料や価格表を公開したい」
「取り扱い製品が多すぎて、顧客が目当ての商品にたどり着けない」

大阪のBtoB企業様から、このようなご相談が増えています。
これらは「会員管理システム」や「データベース検索システム」といった機能要件にあたり、ゼロから開発(フルスクラッチ)すると数百万円〜数千万円規模の費用がかかるのが一般的でした。

しかし、実は「WordPress(ワードプレス)」を適切にカスタマイズすることで、これらの機能をコストを抑えて実装することが可能です。
本記事では、BtoBサイトで求められる高度な機能を、CMSを使って低コストかつスピーディに構築する手法を解説します。

BtoBサイトでCMSに求められる「2つの機能」

単なる会社案内(カタログサイト)から脱却し、Webサイトを「24時間働く営業マン」にするためには、主に以下の2つの機能が重要になります。

機能 BtoBでの活用シーン
① 会員限定機能
(閲覧制限)
  • 代理店・販売店向け: 卸価格表、販促素材、技術マニュアルの配布
  • リード獲得: ユーザー登録した人だけに「ホワイトペーパー」や「ウェビナー動画」を公開
  • 株主・社員向け: IR情報や社内報の限定公開
② 高度な検索機能
(絞り込み)
  • 製品検索: 「サイズ」「素材」「用途」などのスペックで絞り込む
  • 導入事例検索: 「業界」「課題」「導入製品」で事例を探す
  • FAQ検索: キーワードだけでなく「製品カテゴリ」から解決策を探す

これらをWordPressで構築することで、開発費を抑えるだけでなく、社内の担当者が簡単に情報を更新できる(=運用コストも下がる)というメリットが生まれます。

1. 「会員限定ページ」の構築手法

「IDとパスワードを知っている人だけが見られるページ」を作る方法です。
簡易的なパスワード保護から、会員ランク別の出し分けまで、要件に合わせて実装レベルを調整します。

Basic認証や標準機能(簡易レベル)

最も低コストな方法です。
特定のページに共通のパスワード(例: 2024osaka)を設定し、それを取引先にメールなどで伝えます。
「とりあえず見られなくする」だけならこれでも十分ですが、パスワードが流出した場合のリスク管理や、誰がいつ見たか(ログ)の取得はできません。

会員管理プラグインの活用(実用レベル)

「WP-Members」などのプラグインを活用し、個別のユーザーIDを発行します。
これにより、「A社にはこの資料を見せるが、B社には見せない」といった制御や、ユーザーごとのログイン履歴管理が可能になります。
CRM(顧客管理システム)としての役割も果たせるため、本格的な代理店サイト構築におすすめです。

参照元:WP-Members Membership Plugin – WordPress プラグイン

2. 「製品絞り込み検索」の構築手法

何千点もの製品がある場合、ユーザーを迷わせないための「検索体験(UX)」が重要です。
WordPressの「カスタムフィールド」と「タクソノミー(分類)」機能を駆使して実装します。

スペック検索の実装

例えばネジのメーカーであれば、「材質:ステンレス」「長さ:10mm〜20mm」「頭部形状:ナベ」といった複数の条件を掛け合わせて検索できるようにします。
これを実現するには、製品データ一つひとつに詳細な属性(カスタムフィールド)を持たせ、それを検索条件として利用できるプラグイン(Search & Filter Proなど)や独自のプログラムを組み込みます。

参照元:Search & Filter Pro 公式サイト(英語)

更新性の確保(CSVインポート)

検索機能が立派でも、製品データの登録が手作業では運用が破綻します。
Excelや基幹システムから出力したCSVデータを、WordPressに一括インポートできる仕組みもセットで構築します。
これにより、在庫状況や新製品情報をタイムリーにWebサイトへ反映させることが可能です。

💡 CMS選定のヒント
大規模な会員サイトや、より強固なセキュリティが必要な場合は、WordPress以外の選択肢(Movable Typeなど)も検討すべき場合があります。
関連記事:WordPress vs Movable Type 徹底比較|企業サイト導入における「正解」の選び方

導入時に注意すべき「セキュリティ」と「保守」

会員情報や未公開の製品情報を扱う以上、通常のコーポレートサイトよりも高いセキュリティレベルが求められます。

  • SSL化(通信暗号化): 必須です。
  • WAF(Webアプリケーションファイアウォール): 不正アクセスを防ぐために導入を推奨します。
    ※Xserverなど主要なレンタルサーバーには標準装備されていますが、初期設定でOFFになっている場合が多いため、必ず有効化を確認してください。
  • バックアップ体制: 会員データが消失しないよう、定期的なバックアップが必要です。

特にWordPressは利用者が多いため、セキュリティ対策を怠ると標的にされやすくなります。
「作って終わり」ではなく、毎月のメンテナンス契約を結び、常に最新で安全な状態を保つことが、BtoBサイト運用の生命線です。

💡 脆弱性対策について
「WordPressは危険」という誤解と、正しい対策方法については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:WordPressのセキュリティは危険?企業が導入前に知るべき脆弱性対策と保守サポート

まとめ:BtoBの営業課題を「仕組み」で解決する

「予算がないから」と高機能なサイトを諦める必要はありません。
WordPressという既存のプラットフォームを賢く利用することで、コストを抑えながら、営業効率を劇的に向上させるWebサイトを構築できます。

重要なのは、どのようなデータをどう見せたいかという「設計」と、それを安全に動かし続ける「保守体制」です。
digrartでは、BtoB企業のWeb戦略に基づいた、最適なCMSカスタマイズと運用プランをご提案します。

会員サイトの構築や、製品検索機能の実装をご検討の方は、ぜひ一度digrartへご相談ください。
御社の業務フローやご予算に合わせた、最適なシステム構築プランをご提案いたします。
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関連サービス:大阪のCMS構築・WordPress導入支援
関連サービス:大阪のホームページ運用代行・更新保守

この記事を書いた人

digrart編集部

大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
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