ブランディングの土台はWebにある|企業イメージを左右する“見えない印象設計”

企業のブランド価値は、今や広告やパンフレットだけでは決まりません。顧客が最初にその企業に触れる「Webサイト」こそが、最も影響力のあるブランド接点となっているからです。
デザイン、言葉選び、情報の探しやすさ。そこにある“見えない要素”の集積が、企業の信頼性を決定づけています。「商品は良いのに、なぜか選ばれない」。その原因は、Webサイトが発する「無意識の印象」にあるかもしれません。
この記事では、Webサイトが企業ブランディングの土台となる科学的な根拠と、信頼を勝ち取るために必要な「印象設計」のポイントを、大阪の制作会社digrartが解説します。
なぜ「ブランドの土台」はWebにあるのか
「ブランディング」と聞くと、ロゴやテレビCMのような華やかなアウトプットを想像されるかもしれません。しかし、ビジネスの現場、特にBtoBや高額商材の取引において、ブランドへの信頼が形成される場所はWebサイトです。
営業に会う前に「勝負」は半分終わっている
米国の調査会社Gartnerのデータによると、BtoBの購買活動において、顧客が営業担当者に接触する前に、すでに購買プロセスの約57%が完了しているとされています。
つまり、顧客は問い合わせをする前に、Webサイト上の情報だけで「この企業は信頼できるか」「発注に値するか」を厳しくジャッジしているのです。ここで「情報が古い」「スマホで見づらい」「強みが不明確」といったマイナスの印象を与えてしまえば、土俵に上がることさえできません。
Webサイトは24時間365日稼働する営業マンであり、企業の「顔」そのものです。ここへの投資を怠ることは、機会損失を垂れ流しているのと同じと言えます。
Webサイトが与える「見えない印象」の正体
では、ユーザーはWebサイトのどこを見て「信頼できる」と判断しているのでしょうか。実は、論理的な情報よりも先に、直感的な「印象」が判断を左右しています。
第一印象は「0.05秒」で決まる
カナダのカールトン大学の研究チームがGoogleと共同で行った調査によると、ユーザーがWebサイトのデザインを見て「好きか嫌いか(信頼できるか)」を判断するのにかかる時間は、わずか0.05秒(50ミリ秒)であることが判明しています。
この一瞬の間に、脳は以下の要素を無意識に処理しています。
- 視覚的な複雑さ(ごちゃごちゃしていないか)
- 親しみやすさ(業界のスタンダードに合っているか)
- 配色の調和(不快な色使いではないか)
「中身を読めばわかる」は通用しません。この0.05秒の壁を越えなければ、どんなに素晴らしい理念や技術もユーザーには届かないのです。
※出典:Attention web designers: You have 50 milliseconds to make a good first impression
ブランドを構成する「印象設計」3つの軸
0.05秒の壁を越え、さらに深い信頼を構築するためには、以下の3つの軸で一貫性のある設計を行う必要があります。
1. トーン&マナー(Tone and Manner)
色、フォント、余白、写真のトーンを統一することです。これらが一貫しているだけで、ブランドの説得力は飛躍的に高まります。
デザイン作成プラットフォームMarq(旧Lucidpress)の調査レポートによると、ブランドの一貫性を保つことで、売上が10〜20%増加するというデータも報告されています。デザインは単なる装飾ではなく、利益を生み出すための機能なのです。
※出典:Marq – Brand consistency: Why it’s important and how to achieve it
2. 言語表現(バーバルアイデンティティ)
企業が発する「言葉」もブランドの一部です。「弊社」と「私たち」、「お客様」と「ユーザー」。細かな言葉選び一つで、企業のスタンス(権威的か、フレンドリーか)が伝わります。
ターゲット顧客が普段使っている言葉に合わせ、違和感のない「語り口」を設計することが、共感を生む第一歩です。
3. 体験価値(UX:ユーザー体験)
「知りたい情報がすぐに見つかる」「問い合わせフォームが入力しやすい」「ページの表示が速い」。これらはすべて、企業から顧客への「おもてなし」です。
ストレスのないWeb体験を提供できる企業は、「顧客のことをよく考えている誠実な会社」という評価を自然と獲得できます。逆に使いにくいサイトは、「顧客への配慮が足りない会社」という烙印を押されかねません。
企業フェーズ別:Webブランディングの優先順位
企業の成長段階によって、Webサイトでアピールすべきブランドの側面は変化します。自社が今どこに注力すべきか、以下の表で整理してみましょう。
| フェーズ | 主な課題 | Webブランディングの注力ポイント |
|---|---|---|
| 創業〜成長期 | 信頼構築・認知拡大 | 「実体」の可視化 実績紹介や代表者の想い、具体的なサービスフローを明記し、「怪しくない、しっかりした会社」であることを証明する。 |
| 安定成長期 | 競合差別化・採用 | 「独自性」の言語化 他社との違い(強み)を明確な言葉で表現する。採用強化のために、社風や働く人の顔が見えるコンテンツを拡充する。 |
| 成熟・変革期 | 刷新・若年層訴求 | 「鮮度」のリニューアル 古くなったデザインやUIを最新トレンドに合わせて刷新し、老舗企業であっても「時代に適応している」姿勢を示す。 |
どのフェーズであっても共通するのは、「誰に、どんな印象を持たれたいか」を定義し、そこから逆算してWebサイトを構築することです。
Webを使ったブランド強化の具体的アクション
漠然とした「イメージアップ」ではなく、具体的な施策としてブランディングを進めるためのステップを紹介します。
1. 現状の「印象診断」を行う
まずは、自社のサイトが第三者にどう見られているかを知ることがスタートです。「信頼できそうか?」「安っぽくないか?」「何の会社かすぐわかるか?」など、忖度のない意見を集め、理想とのギャップを把握しましょう。
2. ガイドライン(ルール)の策定
Webサイト、SNS、営業資料などでバラバラになりがちなトーンを統一するために、最低限のルールを決めます。
- キーカラー:メインカラーとアクセントカラーの定義
- フォント:明朝体(格式)か、ゴシック体(親近感)か
- 写真のトーン:明るく自然な光か、コントラストの強いドラマチックな光か
3. 継続的な「発信」でブランドを育てる
「最終更新日:2018年」で止まっているニュース欄は、ブランドにとって致命傷です。ブログや制作実績、導入事例を定期的に更新することは、「現在進行形で活動し、成長している企業である」という最強の証明になります。
まとめ:企業ブランドはWebで評価される時代へ
対面での名刺交換よりも先に、Webサイトが検索される時代です。そこで表示されるデザイン、文章、情報のすべてが、御社のブランドイメージを決定づけています。
Webブランディングは、単に見た目を良くすることではありません。「0.05秒」で選ばれ、「中身」で信頼を勝ち取り、最終的に「成果」につなげるための合理的な投資です。
もし、「自社の魅力がWebサイトで正しく伝わっていない」と感じるなら、それは機会損失のサインかもしれません。まずは自社の“見えない印象”を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
大阪でホームページ制作をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
無料相談はこちらから
この記事を書いた人
大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
初心者からプロまで、Web戦略の成功をサポートする実務ベースの情報が満載です。
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