ECサイト制作×SEO|集客につながる情報設計と実装チェック

「デザインは良いのに検索から流入が伸びない…」「商品は揃っているのにカテゴリ回遊が弱い…」。ECの集客は“作る”だけでは完結せず、情報設計(IA)とSEOの実装品質で大きく差がつきます。本記事では、ECの実務に沿って設計〜実装チェックまでの要点をひとまとめに。Googleの最新ガイド(構造化データ・ページ分割・Core Web Vitals・レビュー品質など)も踏まえ、今日から直せる具体項目をチェックリスト付きで解説します。
情報設計(IA)で“見つかる・選ばれる”土台を作る
検索で見つけてもらい、カテゴリー→商品へ自然に導くには、誰が・何を・どう選ぶかに沿った情報設計が前提です。サイト構造はURLより内部リンクの繋がりが強いシグナルとなるため、カテゴリ—サブカテゴリ—商品—関連導線を迷いなく辿れるよう設計します。見つけにくい商品はサイトマップやフィードで補完する方針も有効です。まずは優先カテゴリと商材の関係を図示し、リンクの深さと到達経路を可視化しましょう。
ペルソナと検索意図を粒度で揃える
- ペルソナ×購買ジャーニー(情報収集/比較/購入直前)で必要ページを棚卸し
- ジャーニー段階ごとにカテゴリ・特集・FAQ・比較表の役割を定義
- 季節・在庫・利益など事業条件で“推したい導線”を優先配置
(補足)内部リンクは重要カテゴリへ多方面から張ると、構造理解が進みます。
カテゴリ設計と回遊導線(関連・比較・FAQ)
- カテゴリは軸を分離(用途/価格/素材/ブランド)し、重複・過剰な分岐を避ける
- 商品下部に関連・比較の定型ブロックを配置(手作業かルール自動)
- よくある質問(配送/返品/サイズなど)をカテゴリ別FAQで内部リンク化
(ポイント)レビューや長所短所など比較判断材料は、検索でも評価されやすい情報です。
URL・ナビゲーションと「見つかる」設計
- メニュー→カテゴリ→商品へリンクだけで辿れる設計に(JS依存のクリックのみは避ける)
- カテゴリ一覧はページ分割 or 追加読み込み or 無限スクロールいずれでも、Googleが次のURLを取得できる形にする
- フィルタや並び替えはインデックスさせない方針を基本(noindex / robots.txtで制御)
(参考)Googleはリンク構造を重視。URLよりリンクの張り巡らせ方を優先して設計します。
集客に効くページ別コンテンツ設計
コンテンツは「商品ページの充実」と「カテゴリの網羅性」「比較・レビューの質」で差が出ます。検索は人の意思決定を手助けする具体情報を評価しやすく、商品の仕様・在庫・配送・返品・価格推移などは構造化データで補強すると効果的。レビューは独自の検証・差別化・定量が鍵。カテゴリは狙うクエリ群に対して説明テキストと内部リンクを計画的に配置します。
商品ページ:必須要素と強化パーツ
- 必須:タイトル/画像(多角度・拡大)/仕様表/在庫・価格・送料・配送日目安/返品
- 強化:長所・短所、比較、ユーザーQ&A、サイズ表、同梱例、活用シーン
- 構造化データ:Product + Offer + ShippingDetails + ReturnPolicy をJSON-LDで
(メモ)Merchant Centerの無料リスティングも並行すると、露出面が拡張します。
カテゴリページ:網羅性と内部リンク設計
- “そのカテゴリで探す人”が気にする比較軸を短い導入文で提示
- 人気/新着/価格帯/特集などの内部リンク集約 を上部に
- テキストは過剰に長くせずに、主要キーワードを自然にカバー
(注)カテゴリからの商品への到達本数を増やすと、重要度のヒントになります。
レビューとガイド記事の扱い方
- レビューは独自の検証・比較・定量など“体験と根拠”を意識
- 記事では用途別おすすめ/比較表/選び方で意思決定を後押し
- アフィリエイトを使う場合は透明性と質を最優先に
(注)Googleのレビュー評価指針は継続的に改訂されています
技術SEOの実装チェック(必須10項目)
どれだけ良い設計・コンテンツでも、クロール→インデックス→表示の土台が崩れると成果は出ません。最低限の要件はSearch Essentialsに集約されています。特にECはページ数・パラメータ・ページ分割が多いため、robotsの粒度制御と正規化(canonical)、サイトマップの三点セットを厳密に。ページ分割はリンクで辿れるURLを用意し、無限スクロールのみの実装は避けます。
商品ページ:必須要素と強化パーツ
- インデックスの前提:200系HTTP/ブロックしないrobots/レンダリングに依存しすぎない
- robots制御:noindex/nofollow/max-snippet/X-Robots-Tag の使い分け
例:PDF一括noindexや、検索結果のプレビュー長調整など。 - 正規化(canonical):色・サイズ・並び替え・追跡パラメータの重複抑止
- 多言語(必要時):hreflangで言語/地域対応を明示。
- ページ分割:<a href>で次ページURLを露出(prev/nextタグは不要)。
- サイトマップ:大量商品・画像を補足。更新頻度や上限サイズに注意。
- 構造化データ:Product/Breadcrumb/OrganizationなどはJSON-LD推奨。
- 画像SEO:代替テキスト/高解像度/LazyLoadと主要画像の表示確実性。
- タイトルリンク:検索でのタイトル置換を防ぐ命名と一貫性。
- 計測:GA4のeコマースイベント(view_item/add_to_cart/purchase等)を実装。
実装チェックリスト(保存版)
最終リリース前に“どこまで出来ているか”を一覧で確認できるチェック表です。運用に入ってからも、新規カテゴリやLP追加時のセルフQAとして活用できます。特に構造化データとページ分割は後から抜け漏れが出やすいので、テンプレート化して差分を最小化しましょう。
実装チェック(抜粋)
- クロール/インデックス:重要URLは200/noindex対象の棚卸し済み
- ナビゲーション:メニュー→カテゴリ→商品がリンクで辿れる
- カテゴリ:導入文+内部リンク集約(人気/新着/価格帯/特集)
- 商品:仕様・在庫・価格・送料・返品・Q&A・長短所
- 構造化データ:Product/Offer/ShippingDetails/ReturnPolicy/Breadcrumb/Organization
- ページ分割:次ページURLは<a href>で露出、1ページ目専用canonicalにしない
- 画像:alt/適切サイズ/遅延と主要画像の先読み
- 速度:主要テンプレートでLCP/INP/CLSの測定→改善チケット化
- サイトマップ:URL/画像エントリを自動生成・定期更新
- 計測:GA4のadd_to_cart/purchase等の発火確認
よくある質問(FAQ)
Q1:商品バリエーション(色・サイズ)は別URLにすべき?
A. 検索需要が独立しているなら別URLも検討。ただし重複はcanonicalで正規化し、在庫や価格は構造化データで補強を。
Q2:無限スクロールだけでもインデックスされますか?
A. 原則、リンクで辿れるURLが必要です。「もっと見る」やページ番号のURLを必ず用意しましょう。
Q3:返品・送料の情報はどこまで書くべき?
A. ページ上の明記に加え、ReturnPolicyやShippingDetailsの構造化データで補強すると、検索での理解が深まります。
Q4:まず何から手を付ければ良い?
A. ①主要テンプレートのCWV測定→最大ボトルネック1つを改善、②カテゴリ導入文と内部リンク集約を整備、③商品ページの必須要素+構造化データの順がおすすめ
Q5:GA4はどのイベントまで実装すべき?
A. view_item/select_item/add_to_cart/begin_checkout/purchaseは必須。媒体最適化やROAS判定にも直結します。
まとめ
ECの集客は、情報設計(見つかる・回遊できる)と技術実装(クロール・正規化・構造化・速度)の掛け算で決まります。まずは重要カテゴリと商品に集中し、リンクで辿れる構造とProduct/Offer/配送/返品の構造化データ、そしてCore Web Vitalsのしきい値達成を最優先に。運用ではカテゴリ導入文の見直しとレビュー品質の継続改善で、検索→比較→購入の導線を強固にしていきましょう。
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この記事を書いた人
大阪市中央区にて2009年よりWeb制作・運用支援を行い、1,000件以上の実績を持つWeb制作会社「digrart(ディグラート)」編集部が、本記事を執筆・監修しています。
現場で培った豊富な知見を活かし、Webサイト制作、ECサイト制作、SEO対策、Webコンサルティングの実践的なハウツーをお届けします。
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