ECカート選定の正解は?Shopify・makeshop・BASEを徹底比較

ECサイト制作・構築

「どのカートが“うち”の正解か、決め手がない」「初期は安くても変動費で重くなるのが不安」——そんな迷いを解消するために、本記事では料金・手数料の実額と運用のしやすさ(拡張・越境・販売チャネル)を同じ物差しで比較します。結論は、売上規模・販路・将来像の3条件で最短の答えが変わります。数字と表を判断軸にで選定基準をお伝えいいたします。

3サービスの概要と料金・手数料

最初に固定費と変動費を紹介します。
Shopifyは年払い時の月額とカード手数料(Shopify Payments)がプラン別に明示され、外部決済利用時の追加手数料も公開。BASEは月額0円のスタンダードと固定費ありで決済料が下がるグロースプランの二択になります。makeshopは販売手数料0円で、決済は「makeshopペイメント」の月額・料率が別立てです。

料金・手数料

項目 月額(年払いの最低) オンライン決済料(自社決済) 外部決済利用時の追加 備考
Shopify Basic 3,650円 3.55% 2% 10在庫ロケーション等
Shopify Grow 10,100円 3.4% 1% 5スタッフ等
Shopify Advanced 44,000円 3.25% 0.6% 多拠点・高度機能
makeshop(プレミアム) 13,750円 3.19% 販売手数料0円、決済月額あり
BASE スタンダード 0円 3.6% + 40円 + サービス利用料3% Amazon Pay/PayPalは+1%相当 月額0円、実売上時のみ課金
BASE グロース 16,580円(年払い)/ 19,980円(月払い) 2.9%(サービス利用料0% Amazon Pay/PayPalは+1%相当 固定費ありで決済料が低い

※正確な情報は、公式サイトをご確認お願いいたします。
Shopify 料金ページ
makeshop 料金ページ
BASE 料金ページ

機能で比較|拡張性・運用・越境

価格だけで選ぶと後から“やりたいこと”で詰まりがち。ここではアプリ拡張・開発余地・多言語/多通貨・販売チャネルをまとめます。ShopifyはMarketsと多通貨/多言語の仕組みで越境がスムーズ。MakeShopは国内機能の厚みB2B/会員が強み。BASEはスモールスタートに最適で、必要に応じApp追加で拡張できます。

拡張性(アプリ/テーマ/API)

  • Shopify:豊富なアプリ/テーマ、APIで外部連携。
  • makeshop:標準機能が厚く、国内商習慣・B2B機能が充実。
  • BASE:Appsで機能追加、運用はシンプル。

越境・言語/通貨

  • Shopify:Shopify Paymentsで多通貨、テーマ側で多言語に対応。
  • makeshop:海外販売機能を提供(申請で開始、0円と案内)。
  • BASE:Appで英語表示/外貨表記など対応(注意点あり)。

オムニチャネル(実店舗連携)

実店舗×ECの一元化は「POSとECの連携手段があるか」で決まります。Shopify は POS/アプリ生態系が厚いだけでなく、スマレジとの公式連携アプリが複数出ています。makeshopもスマレジとの連携アプリが提供され、在庫や受注の同期、(構成次第で)ポイント・店舗受け取りまで運用できます。BASE も在庫同期を中心にスマレジ連携アプリが利用可能。自社のPOSと料金/要件に合う“組み合わせ”で判断しましょう。

  • Shopify × スマレジ:在庫・商品・顧客・取引のリアルタイム連携、BOPIS(店舗受取)やポイント共通化も構成次第で可。
  • makeshop × スマレジ:スマレジ在庫→makeshop反映、makeshop受注→スマレジ取り込み、(構成次第で)ポイント連携・店舗受け取りも対応。
  • BASE × スマレジ:Apps 経由で在庫・売上の一元管理に対応。

※各アプリは別途月額/初期費用や対象プラン条件があります。導入前に最新の料金・前提条件をご確認ください。

ユースケース別に“向いている選択肢”

最適なカートは、現在の売上規模や注文頻度、販売チャネル(実店舗・モール・SNS)、今後の拡張方針によって“向き・不向き”が変わります。ここでは、よくある状況ごとに「候補に入りやすい」選択肢を整理しました。複数に該当する場合は、固定費と手数料の総額試算でバランスを確認し、アプリ費や運用工数も加味して検討いただくと判断が安定します。

最小リスクで早く始めたい(固定費を抑えたい)

BASE スタンダードが候補に入りやすいフェーズです。売上が読めない初期は、実売上に応じた課金の方が安心な場合があります。

取扱高が増え、変動費が重く感じ始めた

BASE グロースやShopify Basic/Growを比較検討しやすい局面です。月商・件数で総額が逆転し得るため、簡易試算の併用をおすすめします。

アプリ連携や広告・CRMを強めたい

Shopify(Grow〜Advanced)が相性の良いことが多いです。外部連携や拡張の選択肢が広く、施策の回転を上げやすい傾向があります。

国内の商習慣やB2B・会員施策を重視

makeshopが選択肢に入りやすいです。国内向け標準機能の厚みやサポート体制が、要件にマッチするケースが見られます。

越境・多通貨/多言語を視野に入れている

Shopify Marketsを起点に検討しやすいです。将来の販路拡張を踏まえ、対応範囲や運用負荷もあわせて確認してください。
参考:Shopify Marketsとは

注:それぞれの費用・機能条件はプランや時期で変動します。最終判断前に最新の公式サイト情報での確認と、固定費+変動費+アプリ費+運用工数を含めた総額試算をご実施ください。

導入〜公開までの進め方(最短ロードマップ)

選定後は要件→設計→デザイン→実装→計測/法→移行→テスト→公開の順で“成果物ベースの完了条件”を決め、速度(Core Web Vitals)や特商法の最終確認画面を前倒しで組み込みます。小回りを効かせたいなら短いスプリントで“見せながら合意”を重ねるのが安全です。

  1. 要件:KPI/範囲、決済・配送・返品方針
  2. 設計:サイトマップ/ワイヤー、計測設計
  3. 実装:中間デモを定例化
  4. 計測/法:速度目標(LCP/INP/CLS)と最終確認画面を先に用意
  5. 移行/テスト:試行移行→UAT、公開Runbook

よくある落とし穴と先回りの解決策

“想定外のコスト”の多くは、外部決済の追加料やApp/アドオン費、越境の要件漏れから生まれます。見積では月額/料率/件数の算定式を先に埋め、越境は言語/通貨/配送の3点を初期から要件化。固定費と変動費の逆転ラインを試算して、プランを選びましょう。

  • 外部決済の追加料(Shopifyはプラン別に発生)
  • makeshopの決済月額/料率条件の読み落とし
  • 越境:Shopifyの多通貨/多言語やBASEの外貨・英語Appの前提

チェックリスト

発注前・比較中・契約前の3段で最低限の確認項目を用意しました。固定費・変動費・越境要件の3点を押さえるだけで、ほとんどの齟齬は防げます。社内稟議の体裁にもそのまま使える粒度にしています。

発注前

  • 月商/注文数(概算)と逆転ライン(固定費あり/なし)
  • 決済/配送/返品の方針、外部決済の有無と追加料(Shopify)
  • 越境の要否(言語/通貨/配送/決済)

比較中

  • Shopify:プラン別年払い月額と決済料/外部決済追加
  • makeshop:販売手数料0円の前提、決済月額・料率の条件
  • BASE:スタンダード/グロースの手数料/固定費条件

契約前

  • 公開時期・初期構築範囲と、公開後の改善方針
  • 速度目標(LCP/INP/CLS)と最終確認画面の原稿準備

よくある質問(FAQ)

Q1:月商いくらでBASEグロースとShopifyが逆転しますか?

A. 注文数やAmazon Pay/PayPal比率で変わります。まず月商と件数で変動費を試算し、固定費を足して比較しましょう。

Q2:越境ECを最短で始めたいなら?

A. Shopify + Shopify Paymentsで多通貨・多言語の土台を作るのが早いです。

Q3:Shopifyで外部決済を使うと何が変わる?

A. プラン別に外部決済サービス手数料が加算されます(Basic 2% / Grow 1% / Advanced 0.6%)。

Q4:makeshopは“安い”の?

A. 販売手数料0円が特徴。ただし本体月額と決済月額/料率は別管理なので、公式条件で総額を試算しましょう。

Q5:BASEで海外対応はできますか?

A. 英語・外貨対応Appや海外販売代行Appで対応可能です(注意点あり)。

まとめ

固定費×変動費×将来像で選べば、カート選定は迷いません。小さく始めるならBASE、拡張・越境ならShopify、国内機能の厚みとサポートならmakeshop。最後はあなたの売上・販路・体制に合わせ、最適なカートを選択してください。

最短距離の選定は、固定費と変動費の逆転ラインを出し、やりたい販売(越境/実店舗/アプリ)に合うかで決めること。移行や拡張も視野に入れた“伸びしろ”設計が、中期のコスト最適化につながります。
大阪でECサイト制作をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を書いた人

digrart編集部

大阪市中央区のweb制作会社のメンバーが、Webサイト制作、ECサイト構築、SEO対策、Webコンサルティングの最新情報や実践的なハウツーをお届けします。初心者からプロまで役立つノウハウや業界トレンドを分かりやすく解説。web戦略の成功をサポートするための情報が満載です!

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