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digrart編集部
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インターネットで買い物をしていて、「特定商取引法に基づく表記」というページを見た事はありませんか?
サイトによっては「特定商表記」のように略して書いている場合もあると思いますが、同じ意味です。
正式名称「特定商取引に関する法律」という法律があり、長いので今後は「特定商取引法」と記載しますが、トラブルが起きやすい商取引(ざっくり言えば買い物や契約)に関して消費者を守るための法律で、事業者側が守るべきルールを定めています。
具体的には、下記が特定商取引法の対象になる取引です。
ECサイトやネットオークション、フリマアプリ等のインターネットを介した売買は通信販売に該当します。
つまり、ECサイトを運営する事業者やオークション、フリマアプリ等の売買の場を提供する事業者は特定商取引法を守らなければなりません。
今回は通信販売サイト/アプリの運営を行う事業者の立場で、特定商取引に関する法律を守るには一体どうすれば良いのか、違反した場合の罰則等についてかいつまんで解説します。
通信販売の場合、氏名や連絡先などをサイト上のわかりやすい所へ記載する義務があります。
全てを1ページにまとめる必要があるわけでは無いですが、基本的にはほとんどのサイトが特定商取引法で記載が必要とされた項目をまとめて記載したページを設けています。
それがよく見る「特定商取引法に基づく表記」のページです。
ただページがあれば良いという事ではなく、何を記載しなくてはならないかという事は特定商取引法で定められていますので解説します。
事業者が法人の場合と個人の場合で少し異なります。
事業者が個人の場合は氏名、法人の場合は社名を記載します。
法人の場合は登記簿上の商号を記載する必要があり、通称や屋号、サイト名などは認められません。
また、法人の場合は社名だけでなく代表者の氏名も記載が必要です。
会社の代表ではなくとも、そのサイト運営の代表者でもかまいません。
住所を記載します。
法人の場合は登記簿上の住所を記載してください。
個人の場合は省略が可能ですが、「請求があったら遅滞なく開示します」等と記載し、消費者から開示の請求があれば開示する必要があります。
電話番号、メールアドレスを記載します。
ただ記載するだけではなく、確実に連絡が取れ、日本語の問い合わせに対応できる状態でなくてはなりません。
個人の場合は電話番号は省略が可能ですが、「請求があったら遅滞なく開示します」等と記載し、消費者から開示の請求があれば開示する必要があります。
電話番号を記載します。
顧客から日本語の問い合わせに対応出来る番号でなくてはなりません。
個人の場合は省略が可能ですが、「請求があったら遅滞なく開示します」等と記載し、消費者から開示の請求があれば開示する必要があります。
商品価格やその他支払う料金について記載が必要です。
商品価格は基本的には商品ページに書かれていると思いますので特定商取引法ページに記載する必要はないですが、その他送料や手数料等の消費者が支払う金額がわかるように税込で表示する必要があります。
利用できる支払方法とそれぞれの支払方法に対しての支払い次期を記載します。
(銀行振り込みは5日以内、など)
注文/決済が完了した後に商品が消費者の元に届く時期を記載します。
地域や配送業者により到着日が一定でない事もあり、商品を発送する時期でかまいません。
商品の返品や交換についての規定を記載します。
特定商取引法では商品の引き渡しから8日以内は、送料を消費者が負担することにより返品が可能と定められていますが、事業者があらかじめ契約申込の撤回や解除について特約を定めて提示していた場合には、その特約が優先されます。
ですので、商品に問題が無い場合に返品を受け付けない、等をあらかじめ記載していれば返品の拒否が可能です。
特約の記載が無ければ8日以内の返品は受け付けないといけないので注意が必要です。
また、記載があったとしても不良品の返品を受け付けない事は認められません。
商品の返品や交換についての規定を記載します。
特定商取引法では商品の引き渡しから8日以内は、送料を消費者が負担することにより返品が可能と定められていますが、事業者があらかじめ契約申込の撤回や解除について特約を定めて提示していた場合には、その特約が優先されます。
ですので、商品に問題が無い場合に返品を受け付けない、等をあらかじめ記載していれば返品の拒否が可能です。
特約の記載が無ければ8日以内の返品は受け付けないといけないので注意が必要です。
また、記載があったとしても不良品の返品を受け付けない事は認められません。
例えば中古品を販売するには古物商許可証が必要です。
そのように免許や許可が必要な商品を販売する場合には取得した許可番号などを記載する必要があります。
記載が面倒、方針が決まっていないから書けない、問い合わせ対応にコストをかけたくないから連絡先を隠したい、等の理由で記載したくないと言う方も今までには居ましたが、これは必須と説明してなんとか掲載してきました。
仮に記載しないとどうなるんでしょうか。
ECサイトでクレジットカードや後払い決済を利用するには審査を通過する必要があります。
ECサイトは銀行振込や代金引換だけでも機能しますが、ユーザーの多くはクレジットカード決済を利用しますのでほとんどの場合はクレジットカード決済を導入すると思います。
審査の基準は沢山ありますが、カートが機能しているかや特定商取引法に基づく表記が正しく掲載されているかなどもチェックされます。
掲載していなかったり抜けがあったりすると審査に通らず、クレジットカードや後払い決済が利用できなくなる場合があります。
購入したのに商品が送られてこない、商品説明とは異なる粗悪なものが届いた、等の詐欺サイト被害は後を立ちません。
その為、ユーザーはサイトの信用性に関して敏感になっています。
特に楽天市場やYahoo!ショッピング等のモール以外の自社ECサイトに関しては、本当に信用できるかどうかを自身で判断しないといけません。
そんな疑心暗鬼のユーザーがあなたのECサイトを見て、特定商表記が無かった場合にはまず購入まで至りません。
「ECサイトで安全に買い物をするためのポイント」として一度問い合わせてみる(連絡先に繋がるかどうかや対応によって信頼できるか判断する)のが良い、と説明しているようなサイトもある為、特定商表記があり、問い合わせ先が問題無く機能するという事は信用面で非常に重要です。
特定商取引法違反には罰則があります。
科せられる可能性がある刑罰は、違反内容にもよりますが個人の場合で最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金又はそれらの両方です。
法人の場合は罰金の金額がぐっと上がり、3億円以下となります。
刑事罰だけでなく、改善指示や業務停止命令等の行政処分が下る場合もあります。
単なる記載漏れや情報が古い、等を理由に罰則が科される事はほぼ無いと思いますが、悪質と判断された場合は別です。
「消費者にとって重要な事項をわざと告示しない」という行為は以前は刑事罰が無く行政処分のみ対象でしたが、後に刑事罰の対象となるように改正されたという経緯があります。
何をもって悪質と判断されるかはわからないので、リスクを犯して不記載にするよりもきちんと記載するようにしましょう。
サイトに記載すべき事を中心に解説してきましたが、特定商取引法は勿論「ちゃんと記載しましょう」というだけの法律ではありません。
ECサイト運営事業者が把握しておくべき事項をいくつか紹介します。
特定商取引法では「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。
商品をより良いものに見せるのが営業努力とも言えますが、嘘や誇張はいけません。
よく会員登録等をする際に、メールマガジンを受け取る はい/いいえ みたいな選択がありますよね。
Eメールで広告を送っていいのは、当然「はい」にチェックを入れた人に対してだけです。
例外として、契約内容や契約履行に関する通知など、重要な事項を通知するメールの一部に広告が含まれる場合には規制対象にはなりません。
注文確認メールの最後にセールページのURLが貼られている、くらいは大丈夫という事ですね。
ちなみに、メールだけでなく勝手にFAXで広告を送るのも禁止されています。
契約の申し込みの撤回/解除を妨げる為に、申し込みの撤回/解除に関する事項について事実と異なる事を告げる事が禁止されています。
要するに購入(や定期購入)のキャンセルを不当に妨げてはいけないという事です。
どういう場合にキャンセルを受け付けないか、という事を正当な理由と共に特約として特定商取引法に基づくページに記載していれば、申し込みの撤回を受け付けないという事も可能です。
例えば、私は過去にオーダーメイド品の通販サイトを運営していましたが、商品の製作を開始した後はキャンセルは受け付けていませんでした。
ECサイトを運営するなら、特定商取引法に基づく表記はサイトの信用に関わる部分ですので、さぼらず正しく記載しましょう。
また、知らず知らずのうちに違反してしまわないように特定商取引法自体にも目を通しておくようにしましょう。
【参考】
digrartのECサイト制作
https://www.digrart.jp/web/ec/
ECサイトに関するお問い合わせ
https://www.digrart.jp/contact/
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